公益社団法人広島県社会福祉士会様
ぱあとなあひろしま
権利擁護センター
ぱあとなあひろしま
権利擁護センター
成年後見制度は、成年者が認知能力の制約を持つ場合に、その人の利益を保護するために設けられる制度です。
制度では、裁判所が適任な後見人等を選定し、財産管理や日常生活のサポートを行います。後見人等は法的な代理人として、本人の最善の利益を考慮しながら意思決定を行い、必要な手続きや管理を行います。制度は被後見人等の権利を尊重しながら、彼らの福祉を確保することを目的としています。
社会福祉士会の役割は、家庭裁判所から推薦依頼書を受け取り、被後見人等の状況評価やニーズ把握を行い報告書を作成し、適格な後見人等の候補者を提案するなど、裁判所の判断に影響を与える役割を果たします。
広島県社会福祉士会様では250人を超える社会福祉士の名簿登録会員の中から、後見人等候補者を調整するために、Excel VBA(Excelの機能を拡張するためのプログラミング言語)で作られた調整システムと郵送を使って業務を行っていました。ところが、VBAは外部委託して作成されたため、業務が複雑で改善したくてもできない状況。事務員の作業が大きな負担になっていました。
そこで、ノースハンドに新たなシステム構築を依頼。ノースハンドでは業務全体の課題を見直すべく、kintoneとプラグインを活用し、コストを抑えつつも、業務負担を減らし、スピーディーな情報伝達ができるトータルシステムを提案しました。
こちらの課題のために活用した機能はkintone標準機能とプラグイン2つ。プラグインはプログラミングをしなくても、機能を増やすことができる便利な「拡張機能」です。
プログラミングは一切なしですべてのシステムを構築しました。使用したトヨクモ社製のプラグインをご紹介します!
■プラグインその1:Form Bridge
Web入力フォームを作成できるプラグインです。入力されたデータはkintoneに自動入力されます。 ホームページでのお問い合わせ受付やアンケートなどのフォームを簡単に作成可能。
■プラグインその2:kViewer
kintone内にある情報やデータをkintoneアカウントを持たない人にも公開出来るサービスです。これにより組織内外問わず情報開示が可能となり、多くの人にkintone内の情報を見せることがます。表やグラフなどさまざまな表示形式で表現できます。プラグインのプランをアップグレードすれば、ダッシュボードやホームページのように情報を並べて公開したり、kViewerにアクセスするユーザーの管理も可能になり、セキュリティ面も安心。ぐっと活用の幅が広がります。
標準機能とこれらのプラグインを活用することで、プログラミングなしでも様々な使い方のアイデアが広がります。
広島県社会福祉士会様では、kintoneとプラグインのForm Bridge・kViewerを使用して、登録会員から後見人等候補者を調整する業務をシステム化しました。
システムでは、家庭裁判所から新たな後見人等候補者推薦の依頼が入ると、『後見人等募集』の情報がkViewerで名簿会員登録ページ上に公開されます。
応募の管理や候補者確定までの調整をkintone上でやりとりができるようになっています。
名簿会員情報の登録や更新もすべてFormBridgeから。元々はVBAで内部の名簿会員登録情報の管理のみ行っていましたが、業務全体を見直すことで、紙や郵送でのやりとりがなくなり、スピーディーな情報の共有が可能になりました。
ちなみに、社会福祉士会様で運用しているアカウントはたった5アカウント。
プラグインをうまく使いこの5アカウントで、事務員・関係者5名と250名もの会員とのやりとりを実現しました。候補者推薦の依頼~確定、家庭裁判所への回答書作成、名簿会員の登録までシステム化することで作業時間が10分の1にまで激減したそうです。
担当者様の事務作業風景
担当の2名の事務員さんは、50代の方々。ノースハンドの伴走型サポートはもちんですが、元々kintoneをまったく触ったことがなかったところからスタートし、
認定資格アソシエイトのテキストも購入するなど、ご自身でもかなり勉強されていました。効率化の意欲も高く「カイゼンしたい!」という強い気持ちがより使いやすいシステムの製作の力ににつながっていると感じました。
現在、第三者評価のkintone化も検討中。長年Excelとメーリングリストを使って実施していたそうですが、いつもフォーマットを整えたり、メールを送り返信の内容をまとめる作業をしており、kintoneで簡略化したいそうです。情報が自動的にkintoneに溜まるしくみにし、今後の活動に活かしたいと考えていらっしゃるようです。ご自身のアイデアをすぐに形にできるのもkintoneのとても便利なところです!